今日、現物が届いた。東京のリサイクルショップがヤフオクに出品していたものを落札したのだが、あらためて見るとまあ、ひどいものである。

トップの割れは思ったよりましで、内部まで割れているものは少しだった。ただ塗装がそり返っているので、どうやって埋めようかというところだ。ラウンドバックなので専用の冶具を作らないと押さえられないだろうな...とりあえずクランプを買ってこよう。
最初から気になっていた点だが、どうもネックの木目が不自然だ。現物をよく見るとネックの付け根で途中から木目がなくなっている...って印刷やんか、コレ。
まさかと思ってヘッドの割れ目を拡げて内部をよく見る。なんか変。木の繊維らしいものがない。さらにカッターで内部から薄く切り取って顕微鏡で見てみた。アワアワだった。

えー、これが噂に聞くフォーム材でできたネックかぁ?木じゃないんだ!
オベーションのファンサイトをいろいろ見ていると、このモデル1639というのは1981年から1982年に作られたものらしい。Balladeer Special となっていたが、廉価版モデル Balladeer のさらにローエンドということのようだ。
データベースではUltraシリーズ同様に生産国がComboとなっている。ラベルにはコネチカット製と書かれているのだが純アメリカ製ではないってことか?とにかくさんざんググってみたのだがこのモデルに関しては全然出てこない。
それにしても変わったデザインだ。ヘッドのデザインは特にほかのモデルと違っている。なんか初代のウルトラマンを思い出してしまった。ラテックス製のマスクが口のへんでゆがんでるやつ。この形のものがフォーム製ネックということなんだろうか。
さらによく見ると、どうやらこいつはネックの中にアルミが仕込んである様子。ナットの下からちょっと金属面が見えているので...ということは初期のアプローズとかと同じ部品を使っているか同じコンセプトで作られたか。いや、根拠ないんでこの辺はあっちこっちで聞いてみることにしよう。
ネックの反りはない様子。さすが合成素材?とりあえずパーツをいったん全部外して、ヘッドとボディトップの割れを修復することにした。ああ、バッテリー(006P)の端子が片方ないなあ...
幸いあっちこっちにシミがついたようになっていたペンキらしい塗料はベンジンで取れた。油絵の具かも知れない...ということは前オーナーは画家か...絵を描いて疲れたらギターを弾き、インスピレーションを得てまた描き続ける、と...ってプロファイリングやってどうする。探偵か!
トップもよく拭いてやると思ったより傷も少なく、割れさえなんとかできればそのまま使えそうだ。一か所角をぶつけてトップの塗膜がはがれ落ちているのが惜しまれる。
バックの塗料も取れそうだったが、表面が荒らしてあるのでかなりゴシゴシやらないとダメそうだったので後回しに。
問題はヘッドの割れだが、木でもないのに木工用のタイトボンドが効くかどうか。かといって樹脂用をヘタに使うと溶けてしまうし...完全にポッキリいっているのだが表側の皮一枚でかろうじてつながっている状態。ダボを埋めて補強しようかとも思っていたが木じゃないとなるとどうしようか。悩むなあ。
今週末から本格的に作業開始...といきたいんだけどなあ。