うーん、やっぱりENNAでは萌えきれない(萌えって?)
機会があるたびに Pancolar の他に ENNA も Lithagon 28mm、Ennalyt 28mm ともに持ち出して撮ってみるようにしていた。画角が違うので単純に比較ができないのだが、どうもいまいちスッキリしない。
何が?といって画面の暗さ。なんかこう暗いのだ。何よりシャッターを切るとき絞るのだが、そのせいももちろんある。が、なんかこう、なのだ。
それがこのあたりのドイツレンズの味わいだ、とか言う人もあるけど、そういうもんかねぇ...と悶々としていたら、またしても Carl Zeiss Jena の Flektgon がオクに出ていたのを発見。
ふつうフレクトゴンというと28mm広角とかよく見かけるのだが、2万から3万で取引されている。ちょっと高い...35mmだともう少し安いのだが、これは絞りが開放固定ということで安めで出ていた。Carl Zeiss Jena DDR / Flektgon 35mm/f2.4、赤MCであった。
え?開放固定?まさか絞り羽根がないとか?出品者はバラシていないので理由は分からないと言う。ちょっと不安はあったが、開放で撮った作例がきれいだったのでまあいいかと入札。なんとか1万未満でゲット。よっしゃー!!
さて現物は...予想以上に荒れ果てていた。ホコリ、汚れ、キズ、なによりヘリコイドを回すと『ジャリジャリ...』って、え゛ー!?
さっそく解体用具を揃えバラシにかかる。マウント側は大きいネジ3本で絞りリングが外れる。小さいネジまで取るとバラバラになって、クリック用のベアリング球が落っこちるので注意。(というか落っことした)
レンズユニットはネジ3本で外れる。目標の絞り機構はこのユニットの中だ。試行錯誤を繰り返し、レンズを外していけば絞り羽根機構部分は取りだせることが分かった。(というかこの時点でどう戻すのか分からなくなっていたのだが)
羽根は全部あった。どうやら中途半端にばらしたせいでうまくリンケージがかみ合わなくなっていた様子。加えて大量の砂粒があっちにもこっちにも入り込んでおり、挟まって動かなくなっていたのだ。
リンケージの仕組みを理解しながら組み上げると、ちゃんと絞りリングに同調して開くようになった。1つだけ機構設計に不可解なところがあり、それでもユニットを組み上げると不思議とどうにかなってくれていたので良しとした。うーん、深い。
ヘリコイドはやはり砂が入り込んでいたのと、アルミ同士が擦れた粉が混ざっているせいだったのでバラして洗浄、グリス塗り直し。このときまたしても印をつけておいたのが消えてしまった。2時間ぐらい何度もヘリコイドをねじ込んでは外し、とやっていたがなんとか元に戻った。
レンズ内に入り込んでいた砂ぼこりは何とか取り去ることができた。その際どうも前玉を傷つけてしまったようで、コーティングにスジが入ってしまった。元々前玉には汚れとかキズとかあったので、まあ諦めるとする。
最後に、フィルター枠のところが落っことしたか歪んでいたのできれいに真円にし、黒染めスプレーで化粧直しをして完成。
結局作業は夜中になってしまったので、野外で撮影するのはまたの機会にするとして、うわさに高い接写性能を見ることにした。最短距離は18cmとなっているが、デジイチの場合はもう少し寄れるようだ。
WENGERの腕時計を撮ってみた。スイスで買ったものだが日本でも売っているみたいだ。(ガックリ)開放だとピントが合っている部分以外はボケボケ。
今度はF8に絞って+1.0補正で。文字盤あたりはくっきりしている。いい感じ。
おお~いいぞ。蘇生成功といったところか。しばらくは気に入って使うだろうな...35mmというのがちょっと微妙だけど。