2008年9月アーカイブ

掘り出しもんゲットー、というネタ。


先日来オクでペンタコンシックスマウントのレンズを物色していた。といってもこのマウントのレンズがなかなか出ていないので、思ったようなものが見つからない。あっても250mmとか、望遠ではなくて30mm~50mmくらいのものが欲しいのに。

現在手元にあるものはキエフ60用のMIR-38B。キリル文字で『MИР-38Б』なんて書いてあるので最初分からなかったが、ミールなんだそうだ。いろいろ調べてるうちにキリル文字が面白くなった(笑)

このレンズは65mm/F3.5なんだけれど、結構締まった絵が撮れるので、でかくて重いのを差し引いてもちょっと気に入っていた。ロシアンレンズもなかなか味があってよろしいねえ。当たり外れさえなければもっとグッドなんだけれど。

これは元々ペンタコンシックス用チルトアダプタとセットで入手したもの。チルト用としてはもうちょっと広角寄りが欲しいと思っていたのでツァイスイエナのフレクトゴンの50mmとか、同じMIR-26Bというのが35mmでいいなあと思っていた。でもフレクトゴンはF4だし、やっぱりでかいし(つか、巨大)、ミールも扱っているのが海外のショップ?でウクライナからメール便で届くというのがまさにロシアンルーレットとして有名なんだ。うーん。


そのとき、たまたまオクでツァイスイエナのBiometar(ビオメタール、またはビオメター)が目についた。知り合いの国内のショップが扱っていることもあり、これならいいかと思うんだけれどちょっと値が張る。しかも80mmだし。うーん、悩むなあ...

そしてある日のこと、大阪写真会館内の中古店で実物とご対面。一気にビオメタール命になってしまった。でもなあ...と思っていると、オクに「絞り羽根がない」というジャンクが出てきた。

ない、ってそんなあーた、見たところきれいなもんだし、わざわざバラして絞り羽根を取り払うような無茶をする人なんてこのクラスのオーナーにはおらんやろうに...でも、まさかなあ...とちょっと躊躇したものの即決。


そして手元に届いたブツは『Carl Zeiss Jena MC Biometar 120/2.8』。いつの間にか5本目のイエナ製、7本目のドイツレンズ。確かにボディも玉もきれいなんだけれど絞りリングを回しても何の反応もない。覗き込んでみても、羽根がしまい込まれている様子もない。絞り羽根を開閉するピンの動く溝がぽかっと空いているだけ...あちゃー、ハズレだったか。

仕方なくそのまま試し撮りへ。時間がなかったので隣の公園で落ち葉の散らばるベンチを撮ってみた。開放では全体的にぼんやりしててなんかイマイチ。NDフィルタとかいるかなー...でもなんかよさげな感じがする。ダメもとでもちゃんとバラして手入れしてみようか。

そしてバラし始めて5分。思ったより簡単に絞り羽根部分まで到達できたので、やっぱりこりゃダメかな、と絞りのリンクをつついたとき...あれ?なんかはみ出してる?

Biometar_2.jpg

なんやー、ちゃんとあるやんかー!!びっくりー!!って、ちょっとは希望があったから開けてみたんだけどね。よくあるんだ、油とか羽根の間にしみ込んで貼りついているために出てこないってのが。すでに3つ4つそういうのを復活させてる。

ここからはがぜん楽しくなってきた。とりあえずユニットを取り出し、丁寧に羽根を一枚一枚洗うかのようにアルコールをつけては拭き、つけては拭き。ほんとはパーツ皿とかに浸してジャブジャブ洗うんだけど、すぐ下のレンズが外れにくそうだったのでやめておいた。

Biometar_3.jpg

しばらくしてリンクをつつくと軽やかにシャコシャコ絞りが動くようになった。勝利。まだすこし黒いところが残っているが、いずれ消えると思う。

Biometar_4.jpg


そして例のチルトアダプタに取り付けて、さっそく試し撮りへ...と思ったが夜中なのでまた明日。しかしごついな~貫禄あるよ、ホント。こんなの向けられたらふつう引くよね。

Biometar_5.jpg


うーん、別の意味でうーん、所有欲をそそるというか、持っててよかった、みたいな...あれ、広角が欲しかったのではなかったのか?>自分

今回はちょっと気合を入れてテスト。某市の市役所21階にある展望台より。


やはり65mmの画角だとこのぐらいの高さからじゃないとうまくいかないようで...もっともファインダー越しに見た風景と、実際に撮れる絵とはまた違っているのでなかなか「いまのはOKやろ~」みたいな感触がわからない。

miniature_1.jpg

それでもこうやって撮ってみると、ほう、確かにミニチュアモデルをジオラマセットに置いたような感じがする。ちょっとピントの合い方が変わっているだけなのにこんな風に感じるなんて、人間の目っておもしろい。

miniature_2.jpg

さて、そのティルトアダプタを使用した作例なんだけれど...


はっきりいってまだまだ試行錯誤が必要と感じた。最大で8度傾けることができるといっても、どちらの方向に傾ければいいのか、とか、どんなシチュエーションで効果的なのか、とか。

今回はまず家の隣にある公園で落ち葉のベンチを撮ってみた。6x6判のイメージサークルをAPS-C判のデジイチで使うわけなので、普通に使う分には申し分なさそうだが、ティルトアダプタで傾けた場合、ボケる範囲がいまひとつ狭いような...それでもピントが合わなくてボケるのと違った雰囲気がある。

1.5m程度のところでF5.6にて、ティルトなし。
DSC04172s.jpg

左にティルト8度。
DSC04177s.jpg

別の場所で、下にティルト8度、F5.6。
DSC04196s.jpg

ちょっと雰囲気だけミニチュア、みたいな。

またレンズを買ってしまいましたとさ...というか、アダプタをオクで落としたらオマケみたいな形でついてきたものなんだけれど。

そのアダプタは『ティルト・アダプタ』。何をするものかといえばレンズをtilt、つまり傾けるもの。当然傾く方向は縦・横だけでなく何方向か任意方向に変えられる。何に使うものかというと、一般的にはミニチュア写真を撮るためと考えられているけど、本来は奥行きのある被写体で手前から奥までピントを合わせたりするために使う。似たものでシフトアダプタは建物などを撮ったときに歪が出るのを補正したり、といった用途となる。(9/27訂正)

国産だとすっごく高くて、10数万円はする。ところがロシア製(メーカーはウクライナ?)だと送料入れても2万円ちょっと。無事に届くかどうかは運次第...レンズだと結構いい加減なディーラーもあるらしいので、ロシアンレンズ購入はロシアンルーレットに例えられる。さすがにちょっと踏み込むのは躊躇していた世界だった。

とろが今回、オークションで「故障しているジャンク品」とのことで出品されたこのブツは、なんとアダプタからレンズが取れなくなってしまい、しかもレンズが壊れているため返品できないので処分するという。終了まで日数があったが、高くなかったので落札価格でゲット。

なかなか正直な方で取り引きはスムーズに完了。さて届いたブツを見てビックリ。ピントリングも絞りリングもガッチリ固まってびくともしない。アダプタはペンタコンシックスマウントということでスピゴット式。バヨネット式ではないので固定用のリングがアダプタ側にあるのだが、これまたガッチリ固まって微動だにしない。


楽しくなってきた~と工具を並べ、端から順にバラしていった。

カメラ側のマウントはニコンFマウント。フランジバックはソニー/ミノルタMAマウントより長く、内径も少し小さい。うまく改造できればソニーαに取り付けられると踏んでの落札だった。ティルトアダプタがほとんどバラバラになったあたりでスピゴットのリングが緩んだ。おー、取れたよ!これがペンタコンシックスマウントか~

平行していろいろ調べていたら、このレンズはキエフ60用のMIR-38Bという3.5/65mmで、はまったら取れなくなることがあるものらしい。大当たりだ。いろいろ見ていると、アダプタの各部で使われているネジのしめ加減で微妙な力がかかり、取れにくくなるようだった。実はこれが後でMAマウント化するときに苦労する原因となるわけだが、このときはまだ気がつかなかった。


続いてレンズ側のマウントを外し、ピントリングと絞りの具合を見る。なんか割れたプラスチックのパーツやらネジやらボールやらがポロポロと...ボール8つ!?何のボールだろ。ラッチ用にしては小さいしやけに数が多い。1個だけ大きいし。

さて開けてみたところがこれ。絞りを動かすレバーが曲がり、絞り羽根のパーツもひん曲がっている。何よりピントリングと連動して前玉が動くのを固定する爪はひしゃげてしまってネジの頭が飛んでいる。あちゃー、外れないので無理やりこじったか。いくらロシアンレンズでも最初からこんな状態で売ってるわけないから、元のオーナーかも。

Mir-38B_broken.jpg

ひとつずつパーツをアルコールで洗浄し、曲がったものは伸ばし、飛んだネジは同じようなものを探し、少しずつ組みあがっていった。絞りは元のリンケージの状態が分からないので、パズルを解いているような感じでかなり苦労したが、スプリングを留めるネジの位置が間違っていることに気がつき、なんとか絞りリングと連動させることに成功。ただ、なぜかピントリングを無限あたりに持って行くと絞りがきかなくなるというあたり、元々ハズレだったのかも知れない。恐るべし、ロシア玉。

さあ、続いてニコンFマウントからソニー/ミノルタMAマウントへの改造。これは単純にジャンクレンズのマウントを外して載せかえるだけなのだが、当然すんなり入るわけではない。しかもアダプタのパーツと一体化しているため、バヨネットの爪を削って、表面を削って、とかなりの大手術となった。

このへんあまり詳しくないのだが、各パーツのサイズを測ってみたところ、Fマウントのフランジバックが合っていないのではないかという気がする。P6マウントは74.1mm、Fマウントは46.5mm。差し引き27.6mmあればいいはずのアダプタの厚みが30.4mmもある。MAマウントは44.5mmなので、差し引き2mmMAマウントのパーツをかさ上げすればいいはずだけれど、元々高すぎるのではないか?うーん。

とりあえず手持ちのシグマAPO ZOOM 75-300mmをバラしたところ、こいつのマウントが一番ぶ厚かった(3mmもあった)のでこれを使うことにした。完動品だったのだが売ったところで1,000円もしないのでパーツ代としては安い。

多少の紆余曲折の後、無事取り付いた状態がこれ。アダプタ側のFマウントは原型をとどめないところまで削った。MAマウントの裏側もちょっと削っている。これらは全部フライス盤を使ったのであっという間に削れてしまうが、真鍮の削りクズって固くて細くてよく刺さるんだ、これが。

Mir-38B_MAmount.jpg

まだそれらしい写真を撮るに至っていないので、作例はまた後ほどだが、ご覧のとおりソニーαにティルトレンズ、しかも6x6版用、しかもロシア玉、というところが泣けると思う...


Tilt_Vertical_s.jpg
こんにちはー、と上下に最大8度。


Tilt_Horisontal_s.jpg
あっち向いてホイ!と水平に最大8度。


日曜日の夕方、久しぶりに日本橋へ。

本当はもっと土曜日とかの早い時間に行ってゆっくりブラブラしたかったのだが、家族が調子悪いとか忙しいとか、つい遠慮してしまうところが「お父さん」のツラいところ。

短時間だったので、偶然性に期待してディープなポイントをピンポイント爆撃。南海電車なんば駅で降りてまず「大阪市内」へ。そしてPCNETこと「パシフィックネット」、ソフマップ、カメラのナニワと至近距離範囲内。

「大阪市内」は先日買ったSONY VAIO TR2/BのACアダプタとかないかな、と。残念、なかった...しかしなぜか富士通のものが大量在庫。使えなくはないのだけれど、すでに持ってたりするし...ってことでここは戦果なし。

続いてPCNET。決して安くはないのだが、UNIXワークステーションのパーツとか不思議なものが大量にあるところ。最近2フロア分を1フロアにまとめたせいか、ますますカオス度高し。

ここでは入り口に入ってすぐ、PocketPC用のCFカードタイプカメラを発見。妙に剛性の高そうなケースがついて480円。うーん、さすがだ。高い買い物ではないけど...ドライバがなければ使えないかも知れないけどケースだけでも使ってみるか、といことで購入。ここにもVAIO用にちょうどいいアダプタはなし。

そしてソフマップ。あまり期待していなかったがVAIO用純正アダプタを発見。予想通りあまり軽くなかったのでパス。

ここにもデジカメ用品とか中古レンズがあるのだが、あまり数がないのと程度の怪しげなものが高く売られている(ように思う)。カメラ関係は筋向かいのナニワが安心できると思う。

そしてナニワなのだが、最近中古商品の展示が整理されて見やすくなっている。その分おいしいものはすぐ売れてしまうんだろう、あまりいいものは残っていなかったりする。

今回もφ55か58のNDフィルタを探しに行ったのだが、やっぱりなかった。紫色とか緑色のカラーフィルタ以外はUVフィルタばっかり。それでも一枚ずつ袋に入れられるようになったので昔より良くなった。昔は箱にごちゃまぜになってたから傷だらけで...

こではα100用のサードパーティ製レリーズスイッチを購入。これで夜間撮影とかも怖くない...いや先日PLの花火を撮りに行ったんだけど、三脚につけていたにもかかわらず微妙に揺れてたみたいで大失敗したもので。ワイヤレスだったらベストだったけどそれはなかった。


なんか疲れたので早々に退散し、自宅でご飯の後PocketPC用カメラのテスト。

サクッと挿してみると、ちゃんと「得体の知れないカード」と認識してくれた。壊れてはいない様子だ。VAIOのMotion-Eyeとはえらい違いだ。(こっちはリコールもんだっちゅうぐらいに壊れている個体が多い)

ネットでメーカーをググってドライバを探す。メーカー自体はつぶれたのかホームページはなくなっていた。日本に販売会社はあるようだがディスコン扱い?かこれだけラインナップにない。

仕方ないので検索範囲を世界へ、ようやくDriverGuide.comで発見。CABファイルでインストールしてやると特に問題なく完了...というのもアレな方法でWM6化してあったので、古いデバイスのドライバは対応しない可能性が高かったもので。で、インストールされたアプリを恐る恐る起動してみると...お~写ったよ!!やったね。


とうことで、これが謎のデバイス『Veo Photo Traveler for PocketPC』。CFカードタイプに270度回転できるカメラが飛び出している。270度というのは左右90度と、片側のみ前後180度ということ。右端90度から正面を回って左90度へ、さらに奥側後ろ正面に回すことができる。ただし真後ろではなくなぜか上に向くんだけど...このへん微妙なセンスだな。

Veo-PT_0.jpg

愛機 DELL Axim X50v改 WM6 に挿したところ。130万画素だそうだが画面はちっちゃくて、VGAサイズだとカクカク。しかもピントが合わせづらい。かなりの慣れが必要...ってケータイと同じようなもんだな。あれも風景とスナップの切り替えしかないし。

Veo-PT_1.jpg

そこにあったデジイチを撮ってみた。まあまあ照明次第ではけっこうキレイに撮れそうな予感。この間オクでゲットしたSDカードタイプのやつはまったく使い物にならなかったのであれよりはぜんぜんマシだ。

Veo-PT_3.jpg


まだ売れ残ってたらまとめ買いして、ドライバをつけてオクに出したら高く売れるかも...買う人がいればの話だけれど。

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