2008年8月アーカイブ

最初に書いてから続編、続々編ときたのでその4ということで。

あれからいろいなシーンで機会があるごとにドイツレンズを持ち出しては撮ってみた。家庭内LANのファイルサーバには「レンズテスト」と称するフォルダがぱんぱんになっていたりするが、いまだ会心の作というのはなかなか出てこない。


その理由のひとつに「ピントの甘さ」がある。

もともとドイツレンズは絞りをある程度まで絞ってやらないと、全開ではきりっとした写りにならない傾向があるのだが、自動絞りではないため絞ってしまうと暗くてファインダーが見えにくくなり、ピントを合わせづらい。そのためピントを合わせてから予定した絞り値までリングを回している。

ENNA の Lithagon とかプリセットタイプは慣れれば目を離さずに絞りリングを一発で合わせられるのだが、マニュアル絞りではクリック何個目だからf8、とか大変。

かと言っていったんファインダーから目を離してしまうと、ファインダーを覗きなおした時にピントがずれてしまっているのがわからないままシャッターを切ることになる。これは50mmぐらいならまだしも28mmとか広角だとほんとにどこにピントが来ているのか分からないのだ。


もうひとつの理由はこんなことをやっている間にシャッターチャンスを逃してしまう、ということ。これはピントの問題が解決できればなんとかなるはず。

もちろんAF自動絞りの最近のレンズ買えばいいじゃないの、というハナシなのだが、ツァイスレンズ搭載、といっても実態は国産でコシナ製だとか、あまりに夢がない。それよりか創業以来激動の歴史の中で脈々と受け継がれてきたツァイスの伝統が息づく(まあある時期のは息切れしてる感があるけど)旧東ドイツのカールツァイス・イエナのレンズの方が味があっていい(と私が思っているだけかも...)


そんな旧式マニュアルレンズファンの必需品が「マウントアダプタ」であり、今回ちょっと特殊な(=怪しげな)タイプをゲットしたので軽くレポートしたい。

オークションではいろいろなアダプタが売られており、キヤノン製ボディはほとんどどのメーカーのレンズもつけられるようだ。が、ミノルタ/ソニーαシリーズは実質M42マウントしか選択肢がない(ミノルタMDは補正レンズが必要)ため、数社から同じ製品が出ているだけ。わずかに中国製と思しきオリジナル設計のアダプタも存在するが、実際は既製品を追加工したもののようである。

今回ゲットしたのはその中でも怪しさ爆発の日本語説明がすべてを物語っていた。見るからに中国製、中国人による販売。偏見があるわけじゃない、中国人のビジネス仲間は何人もいる。でも一般的に知られているのはトラブルがあっても責任を取らないケースが多いという事実。製品の質も悪い。

今回も注意書きに「不良品の場合は送料負担すれば返品交換に応じる」と。えええー、という感じの殿様商売だなあ、やっぱりやめとこうかなあ...覚悟を決めて入札したところ、開始価格で落札できた。ほとんど買い手がいないことは以前から見ていたので分かってはいた。

届いた商品は、以前八仙堂で購入したものとは違い、カメラ本体にセットしてもがたつきははるかに少ない。仕上げもきれいだし、見た目は悪くない。

ここまでは良かった。だが今回のブツは「フォーカスエイドに対応している」ことが最大のポイントなのだ。だからこそ八仙堂の4倍近い値段でも買ったのだ...ところが。

見事に動作しない。やられた~

試しにミノルタα5700i、7700iと(いつの間にか増えたw)取り付けてみるが、同様。えらく高い買い物になったな、と思いつつ細部をルーペで良く見る。電気接点の基板の裏側に小さなチップが取り付けてあり、キラッと光るものが挟まっている。

「バリ?」

リング上にチップをつけるための溝が彫ってあるのだが、これがお粗末なやすりがけの切り欠きみたいなもので、スミにバリがぶら下がっていた。これがレンズをねじ込んだときにチップの足と接触してショートしていたようだ。

DSC04167s.jpg

ピンセットで摘み取ると、ウソのように快調に動作するではないか。おおおー、便利。少々暗くても、絞りを絞っていても、「どこかに」ピントが合えば合焦マークが光って教えてくれる。説明には音がすると書いてあったので「ピー」とか「ピッ」とか言うのかと思ったが、それは無いようだけれど。ちなみに「どこかに」はたぶん真ん中へん、なのだが...

試しにフレクトゴン2.4/35mmをつけて机の上の小物を撮ってみた。絞り開放なのでかなり狭い範囲にしかピントが合わないはずだが、狙ったあたりにバッチリピントが合っていた。これ、使えますぜ!!
不良さえなければね(泣)


オークションの出品者は中国人女性のようだったが連絡が取れて、返品送料は負担してくれるという。直ったのでこのまま使う旨を伝えたが、おおむね対応は良かった。

もっとも本来は彼氏がやっていた仕事で、半年海外旅行に行っている間代理でやっているので細かいことは分からないのだとか。言い訳としてはともかく、本人だったらどうだったのか...


深いです。この世界。

本当はフレクトゴンとかのマウント部品をαマウント化してカスタムパーツを作るつもりだった。先にやっつける必要が出てきたので練習がてら作ってみた。


取り付けるのは Panasonic のビデオ用ワイドコンバージョンレンズ VW-LW3。取り付ける相手は BenQ の液晶プロジェクタ SP830。

DSC03584s.jpg

なぜこんなものが必要になったかというと、所属する教会で礼拝に使うプロジェクタを入れ替えたのだが、ついでにスクリーンを大きなものにしたところ投射距離が微妙に足りなかった。スクリーンのサイズに対して画像がすこし小さめになってしまうためプロジェクタの位置を後ろにずらせばよいのだが、ずらすとオペレータにとっては非常に邪魔になることが分かった。

このため何とかならないかという話があり、たまたま昔ホームビデオカメラに使っていたワイドコンバージョンレンズをつけてみたらいい具合になった。よし、これで行こうと思ったのだがプロジェクタのレンズにはフィルタ用の溝なんてないので、そのままではキャップしか取り付けることができない。

ではどうしよう?と考えること数分、アダプタを作ってみようと考えたわけだ。


材料はたまたま手元にあったジュラルミン丸棒。直径65mm、厚さ20mmのものが5個あるので、こいつを使うことにした。ところが旋盤を持っていないため、切削加工は全部卓上フライス盤でやるしかなかった。

途中は省略するが、思ったより固い材料のためかなりてこずったものの、何とか思ったような形にはなった。さすがに外周の表面はきれいにはならなかったし、例によって削りすぎをフォローしようと再仕上げ加工したためちょっと寸法があいまいになったり。

DSC03590s.jpg

あとは現物の溝に合わせてみて、必要なら再加工して墨染め仕上げをしておしまい。残念ながら明日から実家へ帰るので完成は来週以降になってしまうのだが、捨てずに取っておいて良かったと思う。


--------- (8/10追記) -----------

今日、現物合わせを行ってみた。思いのほかピタッとはまったのでびっくりだった。
これで標準の距離よりだいぶ手前で100インチスクリーンいっぱいに投射できる。

...と思ったら角度がピッタリど真ん中でないと糸巻き上に画面上端が歪んで
しまうことが判明。やっぱりこれはスクリーンまで含めて何とかしないとダメなの
かもしれない。とりあえずテスト運用してみたが評判は上々だった。

sp830_normal.jpg

これにこんな具合に取り付けられる。

sp830_wide.jpg

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