ギター: 2007年7月アーカイブ

 

新たにチューナーを買った。しかも二つ。

 

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元々チューナーは何台か持っていた。最初に買ったのはゼンオンの「クロマティーナ」というクロマチックチューナーで、1オクターブ分のキーとピッチ切り替え、オクターブ切り替えなどをスライドスイッチで切り替えるタイプ。新任でブラスバンドの顧問になった時に買ったもの。

こいつの厄介な点は一度トーンジェネレータモードを通らないとチューナーモードにならないところ。しかもボリュームがないのでスイッチを入れたとたん「ブッ」と結構な音で鳴ってくれる。重いしでかいし。針式なので見やすいのは確かなんだが。

もう一つはセイコーのST737、これもデジタルながら針式のもの。こいつはコンパクトで、ピッチの狂いを1セント単位で表示してくれる。だがマイクとラインしかないため、騒がしいところ、特に隣でピアノが鳴ってたりするとまったくダメ。しかもバッテリーが弱ってくるとピッチが狂ってくるくせにバッテリー残量が分からない。

あとはエフェクターに内蔵されているもの、コルグのA3というマルチエフェクターと同PANDRA PX4。A3は中学生でギターを始めた子にあげてしまった。PX4はプリアンプとしても使えるがコンパクトすぎる割りにラインでつないでおかないとダメなので自宅練習用に使っていた。

そしてAdamasIIはチューナー内蔵なのだが、基準ピッチが440Hz固定なため不便でしょうがない。他のOvation  セレブリティとヤマハ L-12は内蔵ではないのでなんとかしたいと思っていた。

 

それが今回、クリップ式のものが店頭でも最近安くなっているのでどれにしようかと迷いつつ、ヤフオクで二種類入札してたら両方落としてしまった。

一つはアリアのET-3000。店頭で4000円程度すると思うが2000円でゲット。もう一つはCherubという聞き慣れないメーカーのWST-523というモデル。1100円でゲット。これらは大きさも機能もほとんど似ているが、ちょっとハード的な仕様が違うので単なるそっくりさんというだけみたいだ。

電源はET-3000がプッシュボタン、WST-523がスライドスイッチ。このスライドスイッチ固すぎ。あとはどちらもクリップ(振動センサー)とマイクを備え、ギター、ベース、バイオリンとクロマチックモードがあるというあたりは同じ。

ちょっと問題ありそうだったのは基準ピッチの選び方。ET-3000は1HzピッチでUp/Downできるが、WST-523はUpのみ。上限の450Hzに達すると下限の430Hzに戻る方式。どちらも電源を切っても設定を覚えているので、まず切り替えることはそうそうないだろうと思うが。ちなみにうちではA=442Hzを使う。これはピアノが442で調律されているため。

 

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ギターのヘッドにつけるとこんな感じ。ET-3000は画面サイドにバックライトがあり、普段は消灯しているがチューニングを始めるとONになる。しかも±10セント程度に合うと画面全体がグリーンに、そこから外れるとレッドに変わるので非常に分かりやすい。WST-523もグリーンやレッドに変わるが、明るさがいまひとつ。

装着感はET-3000はクリップもしっかりとまるし、回転式のネック部も遊びがないのでがたつくような感じはない。演奏中でもつけっぱなしにしておいて、曲間で怪しいと思ったらすぐにチューンできる。WST-523はたまたまなのかクリップは弱めで、ネック部も遊びがあって少々ふらふらしている。演奏中に落ちそうだ。

ということでET-3000はステージ用、WST-523は自宅練習用にすることにした。どちらも大差はないので一個買って使う分には全然問題ないと思う。他にもArionというメーカーのはトーンも出せるものがあるし、高くてもブランド品が良ければ4-5000円も出せば買えると思う。

 

チューニング命です。

 

 

台風が来るので家で工作してたという話。

 

ちょっと前にオベーション・セレブリティの弦を張り替えた。どうもそのときサドルの向きを間違えてつけたみたいで、弦高がおかしくなっていた。

直さなくっちゃと思いながらも、こいつの場合面倒なつくりだったので後回しになっていた。

フォークギターによくあるピンで弦を留めるタイプだと、適当なところでカポをはめればヘッド側は弦を張ったままサドルの交換ができる程度に弦をはずすことができる。ところがオベーションはブリッジにある穴に弦を通すので、ヘッド側で完全に弦をはずさないとサドルが取れない。

今回人造象牙のサドル材を入手したのでいっそ交換してみることにした。

 

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面倒だなーと思いながらはずしたサドル(注:左右逆のままです)

 

通販で取り寄せた人造象牙のサドルは汎用サイズなので、幅も広いし厚いし高いしだった。またオリジナルはピエゾ素子を取り付けるために下側が特殊な形をしているのでかなり整形しないといけない。

板ヤスリでちまちま削るようなレベルではなかったので、『お座敷ファクトリー』で削ることにした。

ある程度寸法取りした上で細かいところはノギスを当てながら慎重に削った。 削り足りないとサドルの溝に入らないし、ピエゾ素子の金具もつかない。削りすぎるとガタついてビビリ音の原因となる。

 

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お座敷ファクトリー(防音ケース入りフライス盤)で切削加工中

 

ノギスは0.01mmまで表示できるデジタル式なのだが、フライス盤の目盛りは0.1mmきざみのダイヤル式のため勘に頼るしかない。0.0数ミリ削っては測り、という具合。

また送りが手動のためまっすぐにしか切れないのが悩みの種だが、それでもほぼ同じ形にできた。ちょっと寸法を間違えて削りすぎてしまったが、やり直しは効かないし、とりあえず支障はないのでこれでいこう。

 

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取り替えた感じではちょっとサスティンが伸びるようになった気がする。オベーションのプリアンプってアンプにつなぐとプリプリした音になるのだが、ちょっと硬めになったようにも思う。

 

実は先日、あるサイトにバズ・フェイトン・チューニングについての解説と、「それを上回る完璧なチューニング方法」が書いてあるのを見つけた。それがきっかけで思い立ったことだった。

 

これらはアコギで通常のチューニングを行った場合に、ポジションによってはピッチが狂うためにコードが濁って聞こえるという問題に対処する方法だ。 バズ・フェイトンは元々そういう設計でギターを作ったうえで、対応チューナーを使い微妙にピッチをずらしたチューニングを行うというもの。このサイトの「MTS」はナットとサドルに微妙な加工を行ったパーツをつけることで、このピッチの狂いをなくすというもの。

エレキギターのように各弦ごとにサドルの位置を調節できるわけではないので、アコギの場合はオクターブピッチなどの狂いは直せない。 理論は難解で、数式や図解があったがなんとなく理解できたかなー、と。しかし何よりサンプルサウンドを聞けばその差は歴然だった。

 

さすがにここまで凝ったことをマネするのはメンドーなので、最初はサドル側で調整してみようと思った。ちなみにオベーションでもアダマスのサドルは各弦ごとに山の位置が変えてある。横棒いっぽーんではないのだ。元々一枚の板でできているセレブリティのサドルではここまでの加工はできない。削りはじめてから考え直して、これはあきらめた。

それでもクラシックギターなど、サドル幅の間で前後に山の位置がずらしてあるものがある。知人に貸している松岡良治のはそうなっていたと思うが手元にないし、同じ位置で調整が有効かどうかはわからないのでまたの機会にゆずるとする。

 

次はナット側の加工を予定している。乞うご期待ってことで。

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