カメラとレンズ: 2008年6月アーカイブ

普段はタムロンのAF Aspherical XR LD [IF] 18-300mm 1:3.5-6.3 MACRO (なげーよ)というズームレンズを使っている。これにソニーの18-80mmズームを予備に持って、あっちこっちで写真を撮っていた。

a_tamron.jpg


うーん。なんかいまいち、というのが正直な感想だった。どんなシーンでもズーッと寄ったりムムムムと引いたりできるのは便利なんだけれど、肝心の写りがイマイチ。

一眼レフなのにコンデジみたいなありきたりの写真しか撮れない。まあ、使い慣れないんだからほとんどオートに頼っているような状況で云々言ってもしょうがないけれど、でもなんか納得いかないものがある。


そんな時、マウントアダプタを使って社外品のレンズを使う方法を知った。市立図書館で見つけた本がけっこうマニアックで、いろいろなアダプタの使用例が載っている。

キャノンEOSはいちばんアダプタが豊富らしい。チッ、しまったか。逆にソニー/コニカミノルタのαマウント、いわゆるMAマウントは実質M42しか選択肢がない。

ところがこのM42、かつての世界標準規格のようなもので、東西ドイツをはじめイギリスやフランス、アメリカそしてロシアと世界中でこの規格に合うレンズが生産されていた。

中には名玉と言われるものもあり、オクを見ていると結構な額で取引されている。私はそこまでマニアックではないので、とりあえず沼の浅瀬に足先を入れてみるだけのつもりであるレンズに狙いをつけた。

旧東ドイツの Carl Zeiss Jena が製造した『Pancolar』50mm / F1.8。パンカラーとかパンコラールとか読み方は定まってないが私は後者かなあ、と思う。ドイツ本社の社長が来たら聞いてみようと思っていたが、決算で忙しかったので聞きそびれてしまった。残念。

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これは明るいしなかなか写りがいい。名古屋・八仙堂のアダプタで取り付けてみたのだがソニーαだとちょっとガタつきが出るのが不満だけれど。実はPraktikaというカメラ用で、マウント面には絞り値を伝えるための電気接点がある。


調子に乗ってもう1つゲットしたのは同じく Carl Zeiss Jena の 『Tessar』 50mm / F2.5。こちらはPancolarと比べると構造がシンプルな分、ちょっとクセがあるかな、という感じ。でも悪くない。

a_tessar.jpg


これは予定外だったが、出張先の名古屋で見つけた格安レンズ。Pentaxの 『SMC Takumar』 50mm / F1.4。これはF1.4という明るさに惹かれて買ったのだが、レンズが黄変しているので安かった様子。レンズとしてのつくりは悪くないのでファンも多い。比較対象として、あるいは夜間の撮影とかモノクロ用として使おうと思う。

a_takumar.jpg


50mmばっかりで広角が欲しくなったのでFlektgonを探していたがなかなかいいのが出ていなかった。仕方なく、というかこれも比較対象で使ってみようと買ったのが西ドイツの ENNA 社製 『Lithagon』(リサゴン)28mm/F3.5。

a_lithagon.jpg

これは実はまだ天候に恵まれず野外での撮影が少ないので何とも言いがたいのだが、正直のところ失敗だったかと思う。絞り羽根の枚数が多く、円形絞りっぽいのだが絞り自体が狭く小さい。しかもプリセットというのがメンドクサイ...マニュアル操作では便利なように、という発想のはずだが?とにかく像が暗くてファインダー内で合焦確認しづらいのだ。


やっぱりFlektgonにするんだったか? まだまだ沼(まだ浅瀬だけど)は深そうだ。

デジタル一眼レフを購入してしばらくたつ。


いろいろと写真を撮ってみて、こういうシーンではこうしたらいいんだ、とか試行錯誤を繰り返しているところだがなかなか慣れない。奥が深いね、やっぱり。このトシまで手を出さなくて正解だったとさえ思っている。

実際にはかつて京セラの「サムライ」とか、ペンタックスの「オート110」なんて一眼まがいのカメラを使ったことはあるのだけれど、仕組みが違うのでぜんぜん奥行きが狭い。それでも現在はデジタルだからこそかなりのペースで枚数を撮ってもサイフが痛まないけれど、フィルムの時代に同じペースでやってたら大変だろうと思う。

学生時代は芸大だったので、写真学科の友人や先輩がカメラを使っているのをいろいろ見てきた。印画紙に焼き付けるのは手間だけれどそれなりに楽しみがあったんだろうと思う。


思ったように写真を撮るにはレンズが必要だ。なかなか手を出せなかった理由はレンズが高価だったためだが、いまは昔の高級レンズが驚くような安値で買える。当然痛んでいる場合がほとんどなので、メンテナンスをする羽目になるのだが、これがなかなか面白いのだ。

機械的な構造を見ながらバラし、グリスを塗りなおしたりして元に戻すわけだが、メーカーによって製品によってこの構造が全然違うのだ。「おー、こういう仕組みだったのかー」と感心しながらバラしていくわけだが、ピントリングやズームのヘリコイドと言われる部分など印をつけずに不用意にはずすと元に戻すのは容易ではない。

何度か戻せなくなり、睡魔と闘いながら夜遅くまでかかって元に戻したことがある。でも元に戻せれば次からは簡単なのである。そういうところは父親譲りなのかも知れない。祖父も自宅で軽四のエンジンを換装してしまう人だった。


オクで何本か国産中古のレンズを入手し、あまりのカビにガッカリしながら、それでもひとつひとつレンズを磨くことできれいになったときは感動ものだ。しかしさすがに300mmズームは6本も要らないので、だんだんと処分している。

代わりに買うようになったのはドイツレンズだ。カールツァイス、しかも東のイエナのものを探しているが、テッサーやパンカラーなどの50mm標準レンズは数も多いし程度のいいものが多いので比較的安く買える。しかしこれがなかなかよく写るので、もう国産レンズはいいかとさえ思うようになった。

当然M42マウントのものをアダプタ経由で取り付けるためオートフォーカスは効かない。マニュアルでピントや絞りを調節するわけだが、それがまた儀式みたいで面白い。デジタルだから撮ればすぐに失敗かどうか分かるから、いちいち消さないけれど設定を変えたりしてバシバシ撮っている。

ところでこういったクラシックカメラは構造も簡単なので、割と楽にバラすことができる。もちろん調整が必要になってしまう場合もあるので覚悟を決めてやるわけだが、ピントリングがスムーズに回らないのぐらいは自分でなんとかしたいもの。

P1000866s.jpg
※Carl Zeiss Jena / TESSAR 50mm F2.8


こうしてひとつ、またひとつ、というのが「レンズ沼」だそうなんだが、やっちまったかなあ...今日もリサゴン28mmゲット。


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